ポリープは拡大観察し、病理組織検査はしません。必要時はその場で内視鏡によりポリープごと切除します(Total Biopsy)。
輝雄診所では、ポリープの切除前に病理組織検査はしません。 大腸カメラ検査中にポリープや異常な病変を発見した場合は、その場で電子染色及び狭帯域光観察 NBI(Narrow Band Imaging)技術を併用して100倍にまで拡大観察し、表面構造から良性か癌病変かを判断することができます。 良性の場合は、過形成性ポリープ(hyperplastic polyp)(癌にならない)或いは、腺腫性ポリープ(Adenomatous Polyp)(将来癌になる可能性がある)かを判断します。 腺腫性ポリープの場合は、その場で切除を行います。 もし、表面構造から癌病変と判断される場合は、さらに進んで癌細胞の浸潤度を確定する必要があります。 浸潤が深くなく、内視鏡的に根治が可能と判断される病変であれば、その場で内視鏡的手術により切除し、合わせて縫合手術を行います。 手術後は、当日のうちに帰宅いただくことが可能です。
当クリニックでは、ポリープごと完全に切除します(Total Biopsy)。腺腫内癌も根治することができ、いかなる病変も見逃しません。
Q. どうしてポリープの病理組織検査をしないのですか?
なぜなら、病理組織検査は以下のようなミスや誤診を招いてしまうことがあるからです。
․ ケース1:
ポリープを発見。A点の組織を採取し、病理組織検査結果は良性だったが、実は癌細胞はB点にひそんでいた。A点のみの病理組織検査ではポリープの全貌は見えない。当クリニックではCのようにポリープごと切除した。 |
․ ケース2:
小さいポリープの中にA、Bのように複数の癌細胞が存在。A点を先に採取し、病理組織検査で癌と確定。後日B点に残された癌細胞を切除しようとすると、小さすぎて探せない可能性があり、この場合開腹手術で大腸の一部切除を行わざるを得ない。最初からCのようにポリープごと完璧に切除していれば開腹手術の必要はない。 |
Q. 大きいポリープや早期癌は内視鏡的切除ができますか?
当クリニックで内視鏡的粘膜切除術(EMR)により切除した大腸ポリープは、最大のもので6cmです。
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)により切除した最大の早期胃癌は3cmです。
▸ 大腸カメラ検査の注意事項
1 | 検査前の清腸は、腸内が確実にきれいになるまで徹底する必要があります。 2-3mmの微小なポリープ病変や早期大腸癌といった病変も見逃さないためです。 |
2 | ポリープを見つけたら、病理組織検査は行わず、ポリープごと切除します。 |
3 | 早期大腸癌ではなく「進行癌」である場合は、病理組織検査を行い、診断を確定します。(外科的手術をするためには、病理組織検査で癌であることの確定診断が必要なためです。 |